できる士業とそうでない士業が2020年のコロナ禍で大変明確になりました。
「コロナ禍の影響で、資金繰りがとうとうヤバい」
「もらえると聞いた助成金が一向に入ってこない」
「人件費を支払いたいが、資金が足りない」
「解雇しないと会社が持たないが、解雇用件を満たせない」
「コロナ禍でテレワークにしたのだけど、労務管理ができない」
「正直言って、このままだと倒産してしまうかもしれない」こんな状況の会社もあったはず。そんなとき、士業は頼れる存在でいてほしいわけなのですが、そうでもなかった。これは実話です。
コロナ禍で世界中が揺れていた2020年6月27日。私は友人の紹介で、どうしても、どうしても経営の相談に乗ってほしいという経営者の経営相談に対応していました。経営コンサルティングは私の仕事のひとつですが、普段は士業専門のコンサルタントだし、それにまだまだコロナ禍の影響はありましたし、本音を言えばできるだけ人に会いたくない。でも、友人の紹介というのがまた曲者で、義理堅い私は完全防備で都内某所へ。そこで社長から頂いた相談が、前掲のようなものでした。もう切羽詰まっているのか、私の質問を聞く前に早口でまくし立てるまくし立てる。
冒頭3分。これはだいぶヤバい状況の相談を受けてしまったと自分の性格を後悔しつつも、ひとつひとつの問題を解決するため、ヒアリングを実施。ふむふむ、なるほど。会社の状況はなんとなく理解できた。でも、もう6月も終わるし、本当にコロナ禍の影響で経営が傾いたはずなら、3月、4月、5月、6月と約4ヶ月間にやれることはもっとあったはず。なぜ、ここまでひどいことに…?と、そこで言いたいことが全部言えたのか、私からある質問をしました。
その回答に、私はブチ切れ。とっさに言っちゃいました。
「そんな税理士と社労士、即刻クビにしてください。」と。
■有事に逃走した「似非」専門家たち
私がした質問はこれです。「社長、社長の会社には顧問税理士と顧問社労士がいるわけですよね?彼ら彼女らは、このコロナ禍で何をやってたんですか?」
いま思い出すだけで腹立たしい。税理士は「資金調達は専門でない」。社労士も「助成金は別料金」で情報すら出してなかったんだとか。つまり、この有事に逃走してたんです、顧問士業が。新型コロナウイルス感染症は、世界的な災害のようなもの。当然、日本だって例外じゃありません。
普段から資金繰りに苦しんでいる中小企業が倒産してしまう可能性があることは、専門家じゃなくても分かるもの。こんなときに顧問先に貢献しないなんて、何のために普段顧問料をもらっているのか、本当に理解に苦しみます。最終的に、社長には別の税理士と社労士を紹介。これであの会社も立ち直るでしょう。私が紹介したのは「プロ士業」ですからね。
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