価格競争に敗れ、経営難に陥る個人店
顧客は立地の良い大手チェーン店に次々と奪われ、個人経営としてのすし店の売上は右肩下がりが続いています。価格競争に巻き込まれれば、確実に敗れるからです。
コンビニ各社や中食・外食産業での簡便なすし商品の台頭も、供給過剰を招き、さらに価格競争を激化させています。一部大手チェーンは、食材の安さを売りにした“超割安価格”を打ち出すなど、攻勢に出る動きも出始めています。
こうした中で、個人経営のすし店は厳しい立場に立たされています。高級化や個性的な提案で違いを打ち出そうにも、高い水準の技術と経営資源が必要とされ、ハードルが高くなっています。既に多くの個人店が価格競争に敗れ、経営難に陥っているのが実情なのです。
「すしはヘルシー」から「糖質制限」の時代へ
すし店経営を圧迫する最後の大きな要因が、消費者ニーズの変化への対応の遅れです。もともと、すしはヘルシーであるという認識が強かったものですが、近年はすしの悪い面に注目が集まってしまう傾向にあります。例えばすしの持つ塩分や糖質、脂質が多い料理を敬遠する風潮が出てきました。一方で外食費に対するコスト意識の高まりから、手軽で低価格の外食需要が根強くなっています。
すしには、白米を主体とした糖質の過剰摂取、醤油や塩分に加え、とろなどの脂質の多さが指摘されがちです。健康を重視する層からは、カロリーや塩分、脂質を控えた提案が求められる時代になってきました。
しかし実際のすし店現場では、そうした対応が遅れがちな状況があります。健康的な工夫をすれば、すし本来の価値を損なうのではないかとの懸念があるためです。最近では健康メニューを導入する店もありますが、まだ本流とは言えない状況です。
一方で外食コストを抑える消費者ニーズへの対応も難しくなっています。仕入れ価格の高騰でコスト削減の余地が少なくなっているうえ、回転ずしチェーン店との価格競争に勝ち目がないためです。食材の質を下げれば、すしの本質を損なうことになりかねません。このように、外食における価値観の変化のなかで、すし業界は大きな岐路に立っているのが実情なのです。
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