2023年6月26日「ChatGPT全盛の時代に、士業・専門家が生き残るために必要な「見えないニーズ」を把握して提案するテクニック。」横須賀輝尚の記事がYahoo!ニュースに掲載されました。

IT化が叫ばれた時代から、テクノロジーの進歩で淘汰される職業として取り上げられてきた弁護士や税理士などの「士業」。現在、ChatGPTをはじめとしたAIが急激に進化を続ける中、多くのメディアが改めて士業を「なくなる職業」として挙げていますが。果たして本当に士業という職業はなくなってしまうのでしょうか。 士業向けのコンサルタントであり、自身も行政書士として20年以上も士業として活動する筆者の立場から、それでも生き残る方法は無いのか、士業の活路を考えたいと思います。

■相続手続きから考える「顕在化された問題」と「潜在的な問題」

まず、ChatGPTのような質問や相談に回答するAIチャットによって、士業への相談は確実に減少すると予想されます。実際、筆者が現場の士業から聞いた限りでも「これからはIチャットに相談することが増えると思うので、相談料を下げてほしい」とクライアントから要請された税理士も存在します。 AIによる相談業務への影響は避けて通れません。。質問をすれば回答が即座に出てくる、しかも士業に聞くよりも回答スピードは圧倒的に早い。更に価格は無料。ChatGPTの有料プランであるGPT-4でもたったの20ドル、円安の今でも3000円もかかりません。 それでは多くの人が本当に士業を頼ることはなくなってしまうのでしょうか。 AIチャットの特徴は、適切な回答を得るには適切な質問が必要だということです。これは長所でもあり、また短所でもあります。例えば、相続の問題が起きたとき、適切な質問ができれば、良い解決策をAIが示してくれる可能性は高いはずです。 一方で、抽象的な質問には抽象的な回答が返ってきてしまいます。ChatGPTでよく聞く「間違った回答が返ってきた」「堂々と嘘をつかれた」あるいは「当たり前すぎる回答で大して役に立たない」といった話です。そういう意味では、AIはまだ使う側の質問力が問われるツールです。

■見える問題と見えない問題。

さらに重要なことは、士業が関わる法律問題には「顕在化された問題」と「潜在的な問題」があります。 先程の相続の例で考えてみましょう。例えば家族の誰かが亡くなって、財産を相続しなければならなくなったとします。一般の人は考えます。「どのように遺産を分けようか」と。そして、手続きをAIチャットに聞き、手続きの流れを把握。あとは各種の機関で手続きを進める。 相続手続きを進めるには一見なんの問題もないように見えます。しかしこれはあくまでクライアントが「顕在化できた」、つまり認識・把握した問題に関するものだけです。

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