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起業1年目、「うまくいくと思っていたか?」と聞かれることがよくあります。正直に言うと、その頃の私はそこまで深く考えていませんでした。リストラをきっかけに、特に強い決意があったわけでもなく、なんとなく独立してしまったというのが実情です。
「うまくいったらいいな」と思う一方で、「まあ、20代だし失敗しても仕方ないか」と考えることもありました。テンションもモチベーションも上がったり下がったり。心のどこかで「経験がないから」「資金がないから」「知識がないから」と、自分を擁護する言い訳を用意していたのかもしれません。
ある出来事を通じて、自分が全く覚悟を決めていなかったことに気づきました。「成功したい」という願望は持っていたものの、「絶対に成功する」と決意していたわけではなかったのです。どこかで失敗したときの逃げ道を確保していたのだと思います。
この気づきが転機になりました。そこで初めて、「やるからには絶対に成功させる」と決めたのです。単なる願望ではなく、腹の底から覚悟を持つことが重要なのだと。
覚悟を決めたことで、行動が劇的に変わりました。たとえば、それまで躊躇していた飛び込み営業にも躊躇なく取り組めるようになりました。それが成功するかどうかは別として、「やる」と決めたことは迷わず実行するようになったのです。
願望の段階では、「飛び込み営業は怖いな」とか、「もっと準備が整ってからにしよう」といった言い訳が浮かんできます。しかし、覚悟を決めるとそうした迷いがなくなり、行動が加速します。
願望と決意は似ているようで、まったく違います。
- 願望: 叶えばいいな、成功できたら嬉しいな
- 決意: 絶対にやり遂げる、失敗は選択肢にない
この違いに気づくのが早ければ早いほど、起業において有利になります。振り返ると、私が本当の意味でスタートを切ったのは、「成功を願う」のをやめて「成功を決意した」ときだったのです。
起業に限らず、何かを成し遂げるには「願望」ではなく「決意」が必要。これが私の学びでした。


